交通事故の加害者が自己破産した場合はどうなる?

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自己破産をした場合、借金を含めた債務の支払いが「免責」という形で支払い義務がなくなります。

個人が自己破産を申立てる理由の中には、交通事故を起こしてしまったが任意保険に入っておらず、高額となった損害賠償請求を支払えないというケースがあります。

自己破産で免責となる債務の中には、借り入れた借金以外にも滞納していた住宅ローンや電話代なども含まれており、交通事故による損害賠償債務もその中に含まれています。
つまり、自己破産において免責が認められた時点で、交通事故による損害賠償債務も支払い義務がなくなるのです。

ですが、だからといって全ての交通事故のケースにおいて債権が免責されるわけではありません。

実は交通事故の加害者側が自己破産した場合でも、被害者側にはまだ損害賠償を請求できる余地があります。

支払い義務の残る非免責債権とは

自己破産で免責が認められた場合、債務の支払い義務がなくなると上で書きましたが、一部免責の対象とならずに支払いの義務が残る債権があります。この債権のことを「非免責債権」となります。

非免責債権の対象(=自己破産しても残る債権の対象)については、主に以下のものがあります。

  • 税金などの租税
  • 健康保険料・年金保険料
  • 悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権
  • 故意又は重過失で加えた身体・生命に対する不法行為による損害賠償請求権
  • 婚姻費用や子供の養育費
  • 未払い給与や退職金(法人の場合)

このなかの『故意又は重過失で加えた身体・生命に対する不法行為にもとづく損害賠償請求権』というのは、つまり故意や重大な過失により起きた人身事故にも当てはまるという解釈ができます。

よって、免責で債務の支払い義務がなくなったとしても、故意や重大な過失により起きた人身事故については非免責債権として支払い義務が残り、被害者側が損害賠償請求できる場合があるのです。

 この場合の非免責債権となりうる対象ですが、『身体・生命』という記載があるために物損事故の場合は非免責債権にはなりません。
損害賠償請求権に関わる非免責債権の対象には「悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権」もありますが、交通事故においては”悪意を持って”、”わざと”車をぶつけたということが認められなければ、非免責債権として認められることもないでしょう。

交通事故を起こして自己破産を考えているのであれば、このように債権が残ってしまうケースもありえますので一度弁護士に相談することをオススメします。

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